リードナーチャリングに差を付ける! Eメール・DMの特徴を活用した効果的な使い方とは?
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今回は、見込み客の育成期間であるリードナーチャリングにおける施策として、Eメールとダイレクトメール(以下DM)にスポットを当てて解説していきます。EメールやDMの特徴を知り、効果的なアプローチをしっかりと把握しましょう。ナーチャリング施策にお悩みの方はぜひ、今回の内容を参考にしてみてください。
メールやDMはもっと活用できる!
リードナーチャリングの段階における見込み客の購買意欲を高める施策には、広告出稿やイベント開催、オウンドメディア活用など、さまざまなものがあります。今回はその中の「Eメール(Email)」と、紙で送付する「DM(ダイレクトメール)」を活用したアプローチの方法を解説していきます。見込み客が興味を失わず、受注へ繋げていけるよう、それぞれの違いや特徴を知ることができれば、EメールやDMを活用したナーチャリングでより効果を上げられるようになります。
メール・DMの相違点
最初に「Eメール」と「DM(ダイレクトメール)」の違いを具体的に把握するところから始めていきましょう。どちらも“メール”という名称がついており、顧客に企業からのメッセージを届けるツールであるということは共通していますが、今回ピックアップしていくのは『インターネットを使って顧客へ送るEメール』と、『紙で顧客宛に送るダイレクトメール』です。特に最近「DM」という単語は、SNSに搭載されている「ダイレクトメッセージ」と混同されがちですが、今回取り扱うのは、“紙を使った広告”のダイレクトメールです。
そして、「Eメール」と「DM」には、主に以下のような相違点があります。
【送付形式】
Eメールはオンライン、DMはオフラインのため、デジタルと紙媒体のアプローチという違いがあります。
【単価】
DMは、カタログやパンフレットを作成したり、郵送料金も発生するため、Eメールよりコストが掛かります。EメールはDMのように送付物を制作する作業が発生しないため、一度に掛かるコストを抑えて大量配信できます。
【情報量】
Eメールはタイトルで判断して開封されなかったり、長すぎると読まれない可能性もあります。DMはパンフレットやカタログが直接届けられるため、多くの情報を伝えることができ、開封率も高くなります。
【スピード】
Eメールは送りたいタイミングで文章を作って一斉送信できるため、タイムリーに情報を届けられます。DMはパンフレットなどの作成や封入作業、さらに配送日数も掛かります。
それぞれの特徴をチェック!
さらに詳しく「Eメール」と「DM」の種類や特徴を知り、どのようなタイミングで使うと効果的なのか、どのような見込み客に合っているのか、それぞれを使い分けられるように詳しく説明していきます。
■メルマガ
メルマガ登録者や獲得したリードへ定期的に情報を一斉配信するタイプのEメールです。
配信内容は、配信元企業のサービス紹介や業界のトレンド情報、イベント告知など、配信元企業がどのようなサービスや商品を取り扱っているか、どんな活動をしているかを伝えるものが中心となります。ポイントは、サービスや商品に何かしらの形で興味を持ち、企業について覚えてもらい、多少時間が掛かっても問い合わせに繋がるような内容にするということです。ただし、送付先にあまり関連性の薄い内容にしてしまうと読まれなくなってしまいますし、配信頻度が多すぎても印象が悪くなり、少なすぎても親しみを持ってもらえません。運用しながら適切な配信回数を探っていきましょう。
■シナリオメール
Webサイト上の特定のアクションをトリガーとして配信設定をしておき、その設定に合うユーザーに自動配信されるものがシナリオメールです。メルマガのように一斉配信するEメールとは異なり、「新商品の紹介ページに一定期間内に複数回アクセスした」、「メルマガ内のリンクをクリックした」など、ユーザーの関心が高まったタイミングでの配信を想定した設定となっているため、ユーザーに悪い印象を与えにくいというメリットがあります。さらに、シナリオメールにはユーザーが関心を持っていそうな内容に関するリンクを入れておきましょう。そこからユーザーの行動を計測できるため、ユーザーが何に興味関心を持っているのかを把握することができます。
■ステップメール
見込み客の検討度合いにあわせながら、最終的な購入に至るまで段階的にアプローチをするためのEメールがステップメールです。こちらも一斉配信ではなく、個人に向けた配信になるため、段階的なアプローチに合わせてEメールの内容を変えていく必要があります。例えば、セミナー参加者に対し、セミナーの2日後に1本目の「お礼とサービス紹介メール」、その翌週に2本目の「事例紹介メール」、翌々週に3本目の「個別相談会ご案内メール」……のように段階を踏んでいきます。メール設計の難易度が上がるので、MA(マーケティングオートメーション)ツールの顧客分析を利用したり、カスタマージャーニーマップを使って顧客の感情の流れなどを整理しながら運用すると良いでしょう。適切なタイミングで関心度に合った情報提供ができれば次のアクションに繋げやすくなります。
■フォローメール
見込み客や既存顧客、リピーターへのお礼状としての役割を持っているのがフォローメールです。商品の購入後や訪問後などにフォローメールを送ることで顧客満足度を高めたり、検討段階を引き上げたりする効果やリピート率のアップも期待できます。これらのフォローメールも、MAなどのメール配信システムを利用することで自動的な送信が可能です。システムを利用した配信設定にすることで、フォローメールに対しても開封率やクリック率などのデータを取得して分析できるため、マーケティング活動を効率化させることが可能になります。
■DM
商品やサービスの性質によっては、紙で送付するDMの方が効果的なケースもあります。効率化やコストダウンを求めて多くの企業でEメール配信が中心になっていますが、デジタルに苦手意識を持つ年齢層が多いサービスなどにも相性が良いです。また、ハガキや封筒の素材やデザインが自由にできる点もDMの強みの一つなので、紙の素材やデザインに凝ることによって視覚を使った演出するのも良い方法です。個人あてのDMに凝った素材を使えば開封率も高まり、それによって送付元の企業のサービスや商品の購入検討に繋げやすく、また、企業に対して愛着を持ってもらいやすくなります。
Eメールの効果検証時に重要な指標
Eメールを使ったナーチャリング施策を実行するうえで大切なポイントは、送って終わりにせず、効果検証をしながら改善を繰り返すという点です。検証のための指標として下記の数値を見ながら配信内容は適切か、ターゲットにミスマッチがないかなどをチェックしていきましょう。
・送信率:
送信率=エラーメール数÷メール送信数×100
「送信成功率」や「有効配信率」とも呼ばれ、送付したメールが確実に届いた割合を表します。エラーメール率を全体から引いた割合と同じになります。
・開封率:
開封率=開封数÷メール到達数×100
配信先の受信フォルダに到達したメールを実際に開封した割合を表します。
・クリック率:
クリック率=クリック数÷メール到達数×100
Eメール本文内に記載されたWebサイトのURLや広告などがクリックされた割合を表します。
・CV率:
CV率=コンバージョン数÷メール到達数×100
受信者に求める購入や問い合わせなどのアクションに対する実際の割合を表します。
・配信停止率:
配信停止率=解約数÷メール到達数×100
メルマガなど、メール購読の解除が行われた割合を表します。
紙で送付したDMの効果はどう計測する?
はがきや封筒で送ったDMも反応を計測する指標があるため、それを使って検証することができます。検証結果を元に改善を繰り返すことで効果的な運用が可能になるので、以下の計算方法などを使ってチェックしてみましょう。
・総DM費:
総DM費 = 制作費 + 印刷費 + 発送準備作業費 + 配送費
DMの制作から発送までかかる全体のコストを指します。
・レスポンス率:
レスポンス率= レスポンス件数 ÷ DM発送数 × 100
購入につながる可能性のあるレスポンス(資料請求や問い合わせ)の割合を指します。
・CV率:
CV率= コンバージョン件数 ÷ DM発送数 × 100
商品やサービスの購入に至った割合です。
・獲得単価:
獲得単価 = 総DM費 ÷ レスポンス件数
1件の受注を獲得するのに費やしたコストを指します。
さらに、DMに掲載したLPやキャンペーンページへの訪問に紐づけてLPからのCV数やCV率まで解析するようにしていくと、オフライン~オンラインを通して反応をチェックでき、次のアクションも提案しやすくなります。これらを分析しながらPDCAを回すことでDMの効果を高めていきましょう。
EメールとDMのメリット・デメリット
BtoB向けのサービスや商品には、Eメールを活用するメリットが多いです。Eメールは業務の中で常にチェックされるため、送付相手に有益な情報であると感じさせることができれば開封率も高められます。そのためにも、トレンドやニーズに合った内容を配信し、開封したくなるタイトルにするなど工夫していきましょう。逆に、タイトルで興味を惹かれない、内容が読みにくい、必要としていない情報だと判断されれば開封されなくなってしまいます。メリットがデメリットにならないよう、注意が必要です。
一方、DMはパンフレットなどの「現物」が直接見込み客に届く点がメリットです。開封率も高く、じっくり商品を見ることで購入してもらえる可能性も高まります。しかし、その分、DMを作る時間や配送コストが掛かるというデメリットも発生するため、EメールとDM、どちらも商品やサービスに見合ったターゲットとコストであるかを検討しながら使うようにしましょう。
まとめ
今回は、EメールとDMを使用したリードナーチャリングの施策をご紹介しました。それぞれの特徴を掴んで顧客のニーズに合ったメールナーチャリングで受注へ繋げていきましょう。
〈今回の記事のポイント〉
・EメールとDMは、デジタルか紙媒体でのアプローチなのかが大きな相違点。それ以外にも単価や情報量も異なる。
・EメールやDMの種類によってアプローチのタイミングや訴求内容を変えると効果に繋げやすくなる。
・EメールもDMも効果の計測が大事。PDCAを回してアプローチの効果を高めていくことは可能。
さらに、EメールとDMを両方組み合わせて使うことでより効果的なナーチャリングが可能になります。ターゲット企業に合わせてEメールやDMを活用し、見込み客を育成していきましょう。