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営業とマーケティングの連携で成果を上げる! 円滑なコミュニケーションのポイントをご紹介


目次[非表示]

  1. 連携不足による「よくある失敗」をピックアップ!
  2. スムーズな連携体制にするためのポイントは?
  3. 営業部門の使命は顧客のニーズを満たすこと
  4. マーケティング部門の使命はリードの質と量の最適化
  5. まとめ


今回は、営業とマーケティングの「よくある失敗例」をベースにそれぞれの立場や視点・思考が異なることを理解し、そのうえで必要なコミュニケーションについて考えていきます。営業とマーケティングの部門間のスムーズな連携にお役立てください。


連携不足による「よくある失敗」をピックアップ!

企業が商品やサービスを売り成果を上げていくには、営業とマーケティングのそれぞれの力と協力体制が必要です。しかし、営業とマーケティングが上手く連携できていないために売上に繋がるチャンスを逃してしまっていることもあるかもしれません。

まずは、“よくある失敗”のパターンをチェックしていきましょう。

1.部門間のコミュニケーション不足

最初に思いつくのが、部門間のコミュニケーション不足ではないでしょうか。

営業部門は「将来的に売上に繋がる有望なリードが欲しい」、一方マーケティング部門は「リードを集めることに集中したい」。両部門でゴールや業務内容が異なるので、情報共有をする時間を取るより目の前の業務に取り組むことに懸命になっていきます。

お互いに業務に集中すればするほど自分の所属部門以外の業務内容や何に困っているのかなどを知る機会がなくなり、余計にコミュニケーションが取りにくい存在になっていきます。

2.お互いの目標を理解していない

営業部門とマーケティング部門の間で、お互いが組織として何を目指しているのかが分からないというのも連携不足につながる原因の一つです。

目標を達成したか判断する指標「KPI(Key Performance Indicator)」は、それぞれの部門で設定していると思いますが、部門間では共有を出来ていないかもしれません。KPIは部門ごとの独立した指標という役割もありますが、他部門の成果を評価するための基準値になる場合もあります。

例えば、マーケティング部門のKPIがリード数として設定されている場合、営業部門にとってリード数は訪問や商談をする際の母数となります。このような数字のつながりが部門間で連携をするうえで大事な要素になります。

3.リードに対する認識のズレ

マーケティング部門から渡されるリードに対して営業の不満が募ることがあります。

これはマーケティング部門も同様で、引き継いだリードをフォローしてもらっていないという不満を感じることもあります。つまり、両部門で「渡される/渡す」リードに対する認識がずれているために起きてしまうことです。

営業担当者は受注確度が高いリードでなければ引き継がれたくないと感じますが、マーケティングの担当者は、より多くリードを集めることで商談に繋げるチャンスを増やしたいと思ってリストを引き継いでいます。

4.ペルソナやコンテンツに対する認識のズレ

マーケティング部門では戦略を立てる際に「ペルソナ設定」や「カスタマージャーニーマップ作成」を行っていますが、営業部門にそれらの設定が共有されていないかもしれません。

マーケティングが設定したペルソナ像が営業に正確に伝わっていない場合には、商談のアプローチが上手く行かなくなる可能性もあります。

5.ツール活用をしないことによる情報不足

多くの企業でMAやSFA、CRMなどのツールの導入が進んでいます。

しかし、ツールがどのように役に立つのか分からないという状態のまま使用している方も多いようです。

ツールに入力したデータは、その他のツールと連携するとより詳しい分析ができるようになります。ツールを活用しきれないままだと、“意味のあるデータ”として分析したり、新たなアプローチのヒントとして活用できなくなってしまいます。


スムーズな連携体制にするためのポイントは?

ここからは「よくある失敗」を防ぎ、営業とマーケティングがスムーズな連携体制を取れるようにするために何をしていけば良いか考えていきます。

1.コミュニケーションの強化

営業とマーケティング部門で共同の定期ミーティングを開催し、営業部門からマーケティング部門へ商談の結果や進捗を共有したり、マーケティング部門は獲得したリードについての情報を営業部門へ伝えるなどでコミュニケーションを取りましょう。

お互いの業務を理解し合うという感覚を持ちながら動くことが大切です。自身が在籍する部門と他の部門との関係性を知って理解を深め合えれば、部門の壁を打ち破る発想も出てきます。

2.両部門共通の指標(KPI)を設定

営業とマーケティングがそれぞれの目標値を追うだけではなく、双方にとって共通となる新たな指標(KPI)を設定し、そうすることで連携し合うのも一つの手段です。営業もマーケティングも別の役割を持つ組織なので、あえて共通のKPIを作ることで目線を揃えてみましょう。

例えば、「商談を〇件発生させる」という共通の指標を設定し、互いの部門で目標を達成するために必要な施策やアクションを実行していきます。同じKPIを持つことで営業もマーケティングも相談し合う場面ができ、自然に協力し合う関係になりやすくなります。

3.リードジェネレーションのプロセス共有

集客のフェーズはマーケティングが担当するので、営業にとっては何をしているのか詳しく分からない所もあるかもしれません。

しかし、認知を拡大してリード獲得へと繋げていく時の施策の内容は、その後のプロセスを担う営業としても知っておくべきことです。

リードジェネレーションは、マーケティングから営業へ渡す案件を創出するまでの一連の流れで最初に行われる活動です。質の良いリードを獲得するためにオンライン(オウンドメディア、ネット広告等)やオフライン(展示会、セミナー等)を使い、自社の商材に合う手段を選んで集客していきます。

この段階でどんな施策を実行しているかを営業も認識しておきましょう。

4.ペルソナを共有する

「よくある失敗」でペルソナの認識にズレがあることをピックアップしましたが、そうならないためにもペルソナ設定をマーケティング部門だけで握らず、営業部門まで共有範囲を広げましょう。

設定したペルソナごとに作成するカスタマージャーニーマップでは、商品やサービスの認知~購入までの一連のプロセスをまとめるので、営業部門と作成することによってよりリアリティのある顧客の行動が反映できます。

営業部門もペルソナ設定を理解することで顧客へのアプローチもしやすくなり、お互いに顧客理解を深め合えます。

5.フィードバックし合える環境の構築

営業とマーケティングがフィードバックをし合うことで互いに良い影響を与えられます。

営業は顧客とのやり取りで得た「生の声」をマーケティング部門に伝えることで顧客のニーズに沿ったコンテンツの制作ができるようになります。

また、マーケティング部門は、MAなどのツールから根拠となるデータを営業に提示し、見込み客の傾向や分析内容を伝えることで商談が上手く進みやすくなるかもしれません。ほんの少し、ヒントになるような情報が双方にとって成果を生み出す大きな手掛かりになる可能性もあるのです。

6.ツールをしっかりと活用する

ミーティングなどの口頭のコミュニケーションとともに、ツールの活用も部門間の連携に役立ちます。

マーケティング部門は、MAを使えばリード獲得や育成が効率的にできます。営業部門ではSFAを使うことで商談管理や売上予測を、CRMで受注後の顧客情報を管理することが可能になります。

また、ツールをそれぞれ独立して使うだけではなく、連携させることでシステム内での情報共有ができ、部門を一気通貫して施策を検討する時やデータ分析にも役立ちます。

7.成果を評価・改善する体制の構築

営業部門とマーケティング部門でコミュニケーションを取り、KPIやペルソナの共有が出来ているのであれば、目標や成果に対する進捗を報告し、管理する体制を構築して運用しましょう。

定例ミーティングに合わせて報告レポートを作成し、数字の変化や状況の共有をしながら戦略をどうするか、見直すべき設定などがないか、それぞれの部門から情報を出し合って原因を調査したり、改善案を検討して成果を高めていきましょう。


営業部門の使命は顧客のニーズを満たすこと

そもそも企業内における営業の役割は、商品やサービスを売ることです。

しかし、単に果たすべき役割ではなく、営業の“使命”として考えると、商品やサービスを売り、自社の利益を追求するとともに『顧客のニーズを満たすこと』といえます。

顧客と直接顔を合わせてやり取りをするからこそ、数字に表れない微妙な変化も含め、顧客を一番知っているのは営業マンです。だからこそ、営業がマーケティング部門へ顧客の声などのフィードバックを渡すことで、マーケティング部門も含めて顧客が求める本質に辿り着くことができるのです。


マーケティング部門の使命はリードの質と量の最適化

マーケティング部門の役割は、商品やサービスが売れ続けるための仕組みを作ることです。

営業とは異なり顧客と直接のやり取りはありません。だからこそ、マーケティング部門は商品やサービスと最初の接点を作り、営業に渡す『リード質と量の最適化をすること』が使命なのです。

そのため、市場やトレンドの変化は他のどの部門よりも敏感に感じ取り、データ分析や発想力、判断する力などが総合的に必要とされるポジションなのです。


まとめ

営業部門とマーケティング部門、双方が業務内容や使命を理解し、コミュニケーションをしていくことが成果にも繋がるとご理解いただけたのではないでしょうか。


〈今回の記事のポイント〉
・営業部門とマーケティング部門の連携が上手く行かない理由はコミュニケーション不足。
・両部門に共通したKPI設定やコミュニケーションの場を作ることで目線を合わせて協力し合える。
・営業部門の使命は「顧客のニーズを満たすこと」。マーケティング部門の使命は「リードの質と量の最適化」。双方が影響し合い、欠かせない役割を持っている。


解説してきた内容を参考に、両部門のスムーズなやり取りや成果を上げる活動に繋げていきましょう。


BE Magazine編集部
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